一戸建て建設中に伴うタイムラグ!倉庫保管と搬出入のお悩みを解決した複数日工程の引越プロジェクト|プランニング~現住居搬出編
本事例は、建設中の一戸建てへ住み替えるタイミングに発生した「現住居の退去とご新居への入居のタイムラグ」時に起こる様々な家財のお悩みに一社で対応した内容の前編です。
前編では「お客様のお悩みにどのようなプランで対応し搬出したのか?」をご紹介いたします。
同じお悩みでお困りの皆様のご参考になれれば幸いです。
(写真動画撮影:UCHIGASAKI)
(文責:PSS専任ライター)
新居完成前に現住居を退去する必要がある。
2024年桜が散った春過ぎ頃に、一件の問い合わせがありました。
はじめまして、Kと申します。
現在一戸建てを神奈川の方に建てているのですが、完成前に現在住んでいる都内のマンションから退居しなければいけなくなりました。
そこで、大半の物(洋服も含む)を保管していただき、新居の完成後に搬入をしていただきたいです。洋服・バッグ・帽子、その他アクセサリーやキッチンにある小物・調味料(未開封)・鉄鍋など…どのような物が預けられるのか知りたいです。
退居予定は8月の予定で、新居完成予定はその数ヶ月後の予定です。
その間は、実家で仮住まいすることを考えています。
それと家庭用の冷蔵庫や洗濯機などは、まだ購入してから数年しか使用していないので、買い取りを考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
ご依頼の内容は?
現在のお住まいは、都内にある2LDK低層マンションの2階。
そして現在建設途中の一戸建てへの移住に伴い、家財保管と引越の融合サービスである「荷物お預かり便」をご希望されていました。
またオプションサービス内の、小物類の荷造り(段ボール詰め)と家電製品の買い取りを考えられていました。
統一された家具と大量の小物類
訪問による現地調査で以下のことが分かりました。
お部屋はすっきりと片付いている印象ですが、お洋服やバック小物類がとても多い状況でした。
またアンティーク調の家具で統一されていて、ご自宅に溶け込んでいます。
「海に合いそうな家具だなぁ」とプランナーは思いました。
さらにかなり大きなコーナーソファがあり、解体しないと部屋から外に出せないことが分かりました。
その他にも、ワインセラーや観葉植物など…
搬出搬入の難易度が高い家財をたくさんご所有されていました。
余談にはなりますが、明るくポジティブな印象の奥さまと色々お話ししていると、移住を決めたきっかけは「海の近くがいいな~と思って」ということでした。
大型家具の階段搬入は可能か?
さらにプランナーは、ご新居についてのヒアリングを続けます。
特にコーナーソファ・大型の桐箪笥・ベッドのマットレスそして、ワインセラーなどの「大型家具の階段搬入が可能なのか?」は一戸建ての搬入作業で一番のポイントとなる部分です。
とは言え、現在建設中です。
そのため、建設中である一戸建ての模型(ジオラマ)を見せてもらいながらお話を伺いました。
ジオラマを確認すると、階段は広そうだということが分かりました。
また、外観から手作業ならロープで吊り上げることもできそうなことも把握できました。
ただし確定できないため、完成後に下見に行くということでご了承をいただきました。
荷造りを織り交ぜての複数日工程の搬出プラン
プランナーは会社に戻りプラン内容を練ります。
先ずは、当社でお預かりできないもの(ワイン、植木)について
- ご主人様の職場へ配送する立ち寄り作業が必要。
- この運搬にはワイン専用のダンボールを準備。
- 観葉植物については、鉢割れ防止と土で汚れないように梱包。
大型大量の家財を運ぶ安全な方法について
- 小物類やクローゼット内の荷物が多いため、ダンボールの数も多くなる事を加味する。
- クィーンベッドやコーナーソファを解体するスペースを確保する。
このような状況を考慮し荷造りと搬出を織り交ぜて「複数日で行うプラン」を考えていきました。
そして搬出作業は「3日工程」となります。
内容は、おおまかに以下のようになりました。
- 初日の作業
- 生活必需品ではないものを先に梱包して搬出と倉庫保管を実施。
- 2日目の作業
- 職場行きの荷物の移動と生活必需品ではないものを梱包して搬出と倉庫保管を実施。
- 3日目の作業
- 最後まで使用する生活必需品(ベッド・冷蔵庫・洗濯機など)の梱包をして搬出と倉庫保管を実施。
また荷造りを含めたプランでしたが、Kさまご自身で梱包しておきたい小物用として、ダンボールを10箱ほど事前にご用意いたしました。
こうしてプランナーは、Kさまとご都合の良い日程を調整していきました。
マンション共用部分の養生作業から開始
作業当日はマンションの養生範囲(保護する場所)がかなり多かったため、スタッフは保護漏れがないよう確実に養生施工をしていきました。
スムーズに新居に搬入するための準備
作業リーダーは「数ヶ月の搬入時に新居で行き先がわかるように…」と考えていました。
そんな中Kさまの方で、行き先がわかるよう荷物にロケーションの紙を貼って下さっていました。
数ヶ月間倉庫に保管した後の荷物搬入先については、搬出時に聞いても忘れてしまうことも多いです。
その為必ず搬出時に策を考えますが、今回のこのような配慮はとても助かりました。
ロケーションが記されていることで、搬出作業もスムーズに進んでいきました。
その中で家具の大きさを見たとき、ご新居の階段に搬入できるか気にかかっていましたので手作業で吊り上げることも想定して梱包や解体をしていきました。
大型家具やベッドを解体し保管用に梱包
テレビなどの配線は記録して新居で元に戻せるようにしていきました。
サータ社製のベッドは分解・アンティーク調の家具・桐箪笥・ワインセラーなどをそれぞれ手分けして倉庫保管用に梱包していきます。
家具の梱包では、全体を拭いてホコリを取り払ってから家具を梱包することに気を付けます。
長期間の保管ではホコリが原因で劣化を招いたり、ご新居にホコリを持ち込むことにも繋がるためです。
お部屋にあるアンティーク調の家具や時代家具などは、梱包する資材で擦り傷などがつかないように細心の注意を払いました。
超大型ソファの解体
大がかりな作業になったのはコーナーソファです。こちらはフレームが鉄でできているモジュール型。組み合わせて様々なかたちを彩ることができるロルフベンツのDONAというソファです。
解体するためには、4名がかりとなりました。裏からしっかりとクッション部分とステーの部分が頑丈に接合されています。
部屋いっぱいに収められたコーナーソファを4人で部屋の中央までずらします。
一部だけを下から外して立て掛け、横向きにして解体していきました。
素材が鉄製のため重量もかなりあります。
全員で取り掛かり解体することに成功しました。
ソファ「ロルフベンツ」とは?
さてロルフベンツというソファが気になる方のために、簡単にご説明いたします。
〔製品名〕
DONO(ドノ)
〔生産国〕
ドイツ
〔ブランド〕
ROLF BENZ (ロルフベンツ)
〔デザイナー〕
クリスチャン・ヴェルナー
〔サイズ〕
W2410 × D1100 × H630/SH440 mm
〔素材〕
本革・オーク材・ステンレススチール
ロルフベンツは1964年にドイツで創立された高級家具ブランドで、特にソファで知られているそうです。
事例のDONO(ドノ)はモダンなデザインと高い機能性が最大の特徴で、ドイツ製の高い職人技により厳しい品質基準をクリアした耐久性を備えています。
また人間工学に基づいた疲れにくい座面と、好みに合わせて色や素材・サイズの調整が可能というカスタマイズ性も大変高くソファベッドとしても利用可能です。
搬出完了後記念写真をご一緒に
大きなソファの解体搬出も完了して、施工した養生資材を片付けてトラックに収めました。
こうして、3日工程の搬出作業が完了いたしました。
作業3日目にはワンちゃんもスタッフにもすっかり慣れたのでしょうか?
床傷防止マットで落ち着いてました。
搬出作業が無事に完了し思い出深い現ご住居で、Kさまとご一緒に記念撮影をさせていただきました。
ここまで前半戦をご覧いただき、誠にありがとうございました。
後編では、皆さまがあまりご存じない倉庫保管の方法やその他注意点を、また完成したご新築一戸建てへの搬入作業の内容を一挙にご紹介いたします。