引越に伴い「伝統工芸品:加茂桐箪笥」の梱包運び出しから自社倉庫への預かりまでを安全実施!
「ご相談内容」
横浜の物件を売却するにあたり、一部の家財を別宅へ運んで欲しいのですが、直ぐに家財の運び入れができません。
その為、大切にしている家具などを約半年ほど預かってもらい、その後運び入れてもらえますでしょうか。
Kさまは、そのようなお悩みで当社にお問い合わせを下さいました。
今回は、大切な家具「加茂桐箪笥(かもきりたんす)」の梱包運び出し~倉庫保管までを事例としてご紹介させていただきます。
(写真撮影:SERVICE‐STAFF)
(文責:PSS専任ライター)
取り扱った加茂桐箪笥とは…
写真は、今回お取扱いさせていただきました、特注の加茂桐箪笥です。
加茂桐箪笥とは、新潟県の加茂市で作られている桐の箪笥です。
大変歴史は古く、240年以上前の天明年間(1781~89年)に初めて作られたと言われています。
当時から加茂市の総面積の7割が山間地帯であることから、天然桐が豊富に存在し、容易に入手することができたそうです。
指物師(家具職人)が桐の特性を生かした保存用の箱を製作したのが、加茂桐箪笥の始まりと言われています。
そして、昭和51年に通商産業大臣より「加茂桐箪笥」という伝統工芸品の指定を受けることになりました。
現在加茂市は、桐箪笥の全国生産量の70%を占め、日本一の産地となっています。
加茂桐箪笥の特徴は、木釘を打ち込む独特な伝統技法による堅牢なつくり、また引き出しや扉はカンナで調節しながら、すき間なく本体に入れ込むそうです。
そのように丹念に作られた桐箪笥は、収納する衣類などを湿気や害虫から守り、100年以上持つほど丈夫で長持ちし、木の温もりや素材そのものの美しさも兼ね備えています。
加茂桐箪笥は、着物や衣装等を、長く大切に保管したい方々が親の代から引継ぎ、ご使用される伝統的な最高級品として、今も輝きを放っています。
桐箪笥の運搬には様々な注意が必要…
このような歴史のある大切な家具である桐箪笥には、様々な取扱い上の注意点がございます。
桐はその性質上、水気や油に大変弱く、万一、水や油等が付着してしまうとシミになってしまいます。
また、汗等の濡れた手や手の脂なども大敵です。
更に、滑り止めの付いたゴム手袋や、引越業者様が使う毛布やハイパット等の使い回し資材も汚れの原因となります。
その為、取り扱いには一定の経験と技術が必要となってしまいます。
特に加茂桐箪笥のようなきめの細かい表面のモノは、注意が必要です。
そのような多くの注意点を踏まえて、取扱いに慣れているベテランスタッフも緊張しながら作業を進めていきました。
加茂桐箪笥の厳重な梱包作業
桐箪笥を梱包材で包み込む為に、新品の梱包材の上に慎重に移動します。
移動の際には、「木綿の手袋」を使用いたします。
木綿の手袋を使用する理由は、桐箪笥の表面に塗装されている「砥の粉(※)」が汚れないようにするためです。
※風化した岩石を加工して粉末にしたもので、砥石を切り出すときに出る粉末や、黄土を焼いて作った粉も砥の粉と呼ばれます。板や柱などの着色・目止めや漆器などの「塗り下地」として使用されます。
板型の段ボールの上に2分割にした加茂桐箪笥を置き、専用の梱包資材を使用して、全体を丁寧に包み上げていきます。
数種類の梱包材を使用しながら、運び出し時とその後、半年間お預かりしても安全な状態を継続できるように梱包していきました。
さて、加茂桐箪笥が置かれていたのは、一戸建て2階部分です。
ここから、通路ギリギリの階段を通して慎重に運び出し、自社トラックに積載していきます。
一戸建て2階から桐箪笥を運ぶ際の工夫…
狭い階段通路を安全に運ぶため、桐箪笥に専用のロープを巻き、運びやすいようにいたします。
そして、打ち合わせを行いました。手順や基準の共有が、作業成功の要件です。
進め方が決まり、加茂桐箪笥を運び出します。
私どもスタッフは声を掛け合いながら、ゆっくりとゆっくりと…階段を下って行きます。
上下分割ができる桐箪笥ですが、横幅はかなりの大きさで、縦にして取り廻していかなければなりませんでした。
このような状況を予めイメージし、どのような状況になっても「持ち手」がなくならないように専用のロープをつけて準備しておきます。
玄関先からトラック荷台までの通路も狭い状況でした。足を取られないよう、周囲に接触しないように、声を掛け合い慎重に運んで行きました。
そして、加茂桐箪笥の梱包から運び出しが終了いたしました。
私どもスタッフは、自社保管倉庫へ移動して格納作業を行いに向かいました。
建物の養生について…
今回は、一戸建ての階段壁面や床等を養生をする必要はございませんでしたが、通常は、写真のように厳重に養生してから運び出します。
建物自体の売却で傷がご心配なお客様は、どうぞご安心くださいませ。
加茂桐箪笥をハイグレードブースに保管
横浜市の自社保管倉庫に到着して、早速私どもは、すべての家財をハイグレードブース内にある保管ラックに、丁寧に格納いたします。
加茂桐箪笥をはじめとしたすべてのご家財は、定温定湿(空調完備)のハイグレードブースに保管させていただきました。
ハイグレードブース内の保管ラックは、格納後全部で9台分となりました。この中には、加茂桐箪笥も安全に格納されています。
写真は、格納作業完了後のご報告として実際にKさまに送られたものです。
こうして、無事に保管作業を終了いたしました。
作業が完了して…
Kさまこの度は、プレミアムストレージサービスの「荷物お預かり便」をご利用いただき誠にありがとうございました。
お預かりした家財は、半年間大切に管理させていただきます。
保管期間中にご依頼いただきました絨毯クリーニングにつきましても、完了後ご新居にきれいな状態で運び入れいたしますので、どうぞご安心くださいませ。
それでは、日程確定いたしましたらご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
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