港区南麻布オフィスの移転を伴うヴィトラ社製家具の自社倉庫お預かり事例|デザイナー:イサム・ノグチ編
新オフィスの移転時に、どこかの倉庫に大切な家具を一時、預けなければいけない。そんな時お気に入りのデザイナーズ家具が沢山あったら…運搬(引越し)業者や倉庫業者選びには、お困りになるとご想像いたします。
- 引越しはできるが家具の保管はできませんと断られてしまった。
- デザイナーズ家具を取りあつかいできる業者が見当たらない。
- 梱包や運搬から倉庫へ保管できるような、複合的なサービスをできる業者がいない。
…お問合せの段階からご苦労されるお客様も多いのではないでしょうか。
今回は、当社プレミアムストレージサービスでお預かりいたしました、企業F様の大切な2つの”イサム・ノグチ、デザイナーズ家具の自社倉庫お預かり事例”をご紹介いたします。
お預かりした2つのデザイナーズ家具
〔作品名〕
ロッキングスツール
〔デザイナー〕
Isamu Noguchi(イサム ノグチ)
〔ブランド〕
Vitra(ヴィトラ)
〔サイズ〕
H420xW360xD360(㍉)
〔材質〕
メイプル材、スチール
〔作品名〕
ダイニング(サイクロン)テーブル
〔デザイナー〕
Isamu Noguchi(イサム ノグチ)
〔ブランド〕
Vitra(ヴィトラ)
〔サイズ〕
φ90xH72.5cm
〔材質〕
ラミネートウッド、クロームスチールワイヤー
ロッキングスツール
1954年に発表されたイサム・ノグチの名作スツールです。古代アフリカの、椅子の影響を受けているそうで、太鼓か鼓(つづみ)の形に見えます。
また、台座の底が丸い為、座ると”ゆらり”と揺れます。つまり、”スツールがロッキングする” とても楽しい家具です。
ノグチ自身も、とても気に入っていた家具で、自宅で使っている数多くの写真が残っているそうです。
以前は、Vitra Design Museumで復刻されていたそうですが、現在では販売されていない貴重なものです。
サイクロンテーブル
上記でご紹介したロッキングスツールを1957年にKnoll(ノール)社の創設者であるハンス・ノール氏のアドバイスによりリメイク。
“ロッキングしない ダイニングテーブル”です。
重厚で美しさを損なわない台座、螺旋状で繊細に絡み合うスチール脚の造形美、機能性も備えた円型の天板。
1957年の作品だとすれば、非常に芸術的で “未来的な” ダイニングテーブルだと思います。
イサムノグチ(1904-1988)
世界的な彫刻家の一人です。日本人の父(研究家/詩人/通訳)と、アメリカ人の母(作家)2人のアーティストから生まれました。
ノグチは、生涯世界各地を旅し、各国の文化を吸収したそうです。そして、その経験が自身の作品に影響していきます。
中でも、コンスタンチン・ブランクーシ(ルーマニア彫刻家)の作品に、大きな影響を受けたそうです。そのシンプルでモダンな抽象的表現は、価値観の転機となりました。
その後ノグチは、滑らかな形と質感で、斜情や神秘性など融合し抽象的な表現でシンプルな作品を彫刻していったそうです。
イサム・ノグチは次のように言っています。
カタチにすることができるアイデアは、全て彫刻だ。
家具のデザインについては、”ハーマンミラーのデザインディレクター:ジョージ・ネルソン”に誘われ、代表作ノグチテーブル(コーヒーテーブル)を1947年に発表いたします。
その後は、日本の”提灯”からデザインした照明シリーズAKARI(あかり)ランプなどを含めた数々の名作家具をデザインしていきました。
「もののかたち」にこだわり続けたイサム・ノグチにとっては、家具のデザインも彫刻の1つだったそうです。
そして、デザイン性を兼ね備えた、機能的で日常的に役に立つ物として家具の製作をしていきました。
彫刻が、社会的に重要な役割を果たし得る。
というイサム・ノグチの信念は、30年経つ現在でも作品を通し生き続けています。
我々スタッフの思うこと
イサム・ノグチの信念が生み出した一貫性は、数々の名作家具を現在に残しました。より良きものを目指し、彫刻家として、挑戦と選択を繰り返し続けました。イサム・ノグチのその思いは、時が流れた現代人に形となり伝わり、今も世界中の人々に愛され続けています。私たちスタッフも信念ある一貫性を持ち続け、価値あるサービスを皆さまに提供したい。とつくづく思いました。
梱包から保管ラックに格納
箱の中に梱包
イサム・ノグチのロッキングスツールは、企業F様のオフィスに大小2つございました。保管するために、持参したダンボールから、丁度よい大きさのものを選定いたします。
緩衝材を丁寧に敷き詰め梱包していきます。
中身を記載
梱包したダンボール表面に、中身の内容を記載いたします。
作業に参加しないスタッフにも分かるように、情報共有をして安全を担保するためです。
今回、ダイニング(サイクロン)テーブルは、お客様のお時間の関係で、本社自社倉庫に持ち帰ることになりました。保管ラック格納前に倉庫内で梱包することになりました。
梱包と保管ラック格納作業
保管用に梱包
横浜市にあるプレミアムストレージサービス本社倉庫に自社トラックが到着しました。本社の保管ブースに移動します。早速、イサム・ノグチのサイクロンテーブルに保管専用梱包を施していきます。
荷姿に梱包完了
専用資材で家具の形状が分かるように梱包いたします。円型天板の角までしっかり包んでいきます。
保管ラックに格納
ロッキングスツール、ダイニング(サイクロン)テーブルを”連結させて拡張した保管専用ラック”に安全に格納していきます。
プロの確かな積み込み技術で、隙間が極力空かないように、安全を優先にしながらピッタリスペースに格納いたします。
デザイナーズ家具全てが、保管ラックに置き終わりました。
ラップで防塵対策
続いて、防塵、防湿など保管中の荷物(家具)の安全対策を実行いたします。
デリケートな家具には空調設備はもちろん、シリカゲル(乾燥剤)などを保管ラック内の中に投入して、保管専用ラップで密閉します。
ベテランスタッフが声を掛け合いながら、ホコリが入らないように…念入りに保管専用ラップを巻いて、長期間の預かりを伴う家具の安全を担保いたします。
全ての家具の格納状態を作業リーダーが確認いたします。
保管作業完了
イサム・ノグチのロッキングスツールが保管ラック格納されました。ダイニング(サイクロン)テーブルも、無事に保管ラックに格納されました。
保管ラック格納作業が終了して
スタッフコメント
F様、この度はプレミアムストレージサービスの「荷物お預かり便」ご利用、誠にありがとうございました。コーヒーテーブル、サイクロンテーブルはオリジナルからリプロダクトまでよく運搬やお預かりをさせていただいております。
ロッキングスツールは、今回初めての取り扱いでした。とても珍しいスツールで、面白い家具だなぁと思ってしまいました。保管専用の丁度良い頑丈なダンボールがございましたので、そちらに入れて、全スタッフで情報共有しております。
保管期間中は、どうぞご安心くださいませ。新オフィス完成時には、またよろしくお願いいたします。
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